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Answer

よくここまで辿り着きました。
約束通り、あなたにこの実験の真相をお伝えしましょう。

壱来アイネと卒斗原ビナト。
門前マリハと離久浄ルミナ。
吾志木カイロと左岸イリス。

この６人には特殊な力がありました。
世界に【綻び】を生み出し、その先の存在へと干渉できる不思議な力です。

しかしその能力を発現させるには、彼らを極限状態へと追い込み、
脳の前頭連合野を高いレベルで活性化させる必要がありました。
それにより別世界の存在を認知できる確率が高まり、ひいては情報交換さえ可能となるのです。

なぜ、あなた方の協力が必要だったのか。
それは『彼らを救いたい』と願う数多の思念――
それらをひとつの波長に収束させ、増幅させるためでした。
それが重次元Portalを開くための源泉となり、彼らの干渉力をさらに高めたのです。
多くの謎を解いて頂いたのも、あなた方の意思のベクトルを統一するのに重要なことでした。

さて、ひとつ大きな疑問が残っているのではないでしょうか？
『左岸イリスはなぜ、この失踪事件の記憶がないのか？』
その答えは「無数のシミュレーション世界が存在する」ということで説明ができます。
彼女が失踪した世界と、失踪しなかった世界が存在するのです。
あなたがこれまで干渉(プレイ)してきたあのシミュレーション世界――【AI2世界】と呼びましょう。
その【AI2世界】と、別の誰かがプレイしてきた【AI2世界´(ダッシュ)】は、
それぞれがまったく別の世界(ゲーム)なのです。
あなたが干渉してきた【AI2世界】では、
たまたま「イリスは失踪していない物語」だった、ということに過ぎません。
つまり、どこかの誰かがプレイした【AI2世界´】では、失踪の記憶を持つイリスが描かれているわけです。
その世界の物語は、あなたが経験したものと別の展開になっていることでしょう。
ただ、いずれにしても偶然ではありません。
"あなた"が、"この【AI2世界】を引き当てる"ことを、我々は予期していました。

これらの活動はすべて、我々の構想の一部でした。
あなた方のいる世界と接触することが、目的の達成に必要な段階のひとつだったのです。
今あなたがこの真相を見ているということは、構想が最終段階に達したことを示しています。
あなたには、これがどういうことかわかるはず。
ご協力に感謝致します。

あなたはいくつもの結末を経てもなお、それだけでは飽き足らずにここへと到達した。
どうやらあなたには、より深い真実を追い求める強い探求心がおありのようです。
それは他の人々とは比べることもできない優れた才能を持っている証し…。
私の目にくるいはなかった。

さあ、次はあなたの番です。
これからあなたは、例の６人たちと同じような運命を辿ることになるかもしれません。
けれど大丈夫、心配は不要です。
きっとあなたなら、世界そのものの仕組みさえ変えることができるはず。
なぜならあなたもフレイヤー（Frayer）…。
世界に【綻び】を生み出せる者なのですから…。